후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 146,773자 · 294화면
しかし、俊亮はその話になると、いつもため息をつくだけだった。
寄宿舎に入れる手もあり、また、少しは無理でも正木の家から自転車で通わせるという方法も考えられないではなかったが、いずれにせよ、近くに自家があるのにそんなことをしては、ますます次郎をひがましてしまうのではないか、という心配が俊亮にはあった。実は、次郎本人が知ったら、その方をどのくらい望んだか知れなかったのだが、俊亮としては、そのことについて次郎の気持をきいてみることさえ、よくないことのように思われるのだった。それに、商売の方も、不慣れなために、とかく手ちがいだらけであり、次郎のために特別の支出でもすることになれば、それこそお祖母さんが默ってはいまいし、正木から通わせることにすればその方の心配はないとしても、世間の思わくというものを、元来そんなことにはわりあい無頓着な俊亮も、さすがに無視するわけにはいかなかったのである。
(いっそ養子にでもやってしまおうか。)
俊亮は、ふとそんなことを考えてみたこともあった。しかし、それは、彼の良心、――というよりは、彼の次郎に対する愛情が許さなかった。
彼は、次郎を見ると、このごろ涙もろくさえなっていたのである。