후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 146,773자 · 294화면
俊亮と恭一とは、むろん、今では次郎にとって最大の魅力だった。お芳は、二人にくらべると、まだそれほどでもなかったが、しかし、彼女のうしろには大巻運平老がいて、不思議な力で彼の心を捉えていた。お芳にはなれていては、運平老の家を訪ねる機会もめったにない、と思うと、彼は何か淋しい気がした。しかし、そうした魅力の陰から、いつも本田のお祖母さんの冷たい眼が、彼をのぞいた。その眼を思い出すと、一も二もなく本田の家に飛び込んで行く気にもなれなかったのである。
一方、正木の家には、最近彼が恭一に対して感じはじめていたような、涙ぐましい感激の種はなかったとしても、その伸び伸びとした空気は、何といっても捨てがたいものだった。また、むろん、まるで知らない町の学校に転校なんかするよりは、これまで通いなれた学校で権田原先生の教えを受け、竜一たちを遊び仲間にしている方が、はるかにいいにきまっていた。それに、はっきり自分で意識していたわけではなかったが、故郷の自然というものが、隠微の間に彼をひきつけていたこともたしかだった。
彼は二日も三日もそのことばかり考えつづけた。これまで、魅力のある二つの道を与えられて、自由にその一つを選んでもいいような境遇にいなかった彼だけに、そして、さほど決定を急ぐ必要もなく、少くとも一週間や十日は考えて