후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 117,781자 · 235화면
八月二十七日
今日も朝から家具の始末で忙しかった。仏壇の取片付けにも手伝ったが、亡くなった母の位牌はもうかなり古びいていた。淋しい色だった。僕は、汗ばんだシャツの上から、それをちょっと胸に押しあててみた。その時、縁側で書類をよりわけていた父が僕の方を見たが、すぐ眼をそらして、何とも言わなかった。
母は午後から、今度引越す家の掃除をしておくと言って、出かけていった。
あすはいよいよ引越である。夜、父は近所に挨拶してまわった。
八月二十八日
荷物は馬力三台で十分だった。昼まえにその積み込みを終り、人夫たちといっしょに握り飯を食った。父は、祖母に、俊三をつれて一足先に行くようにすすめたが、祖母はなぜか自分は一番あとから行くと言ってきかなかった。それで父が俊三といっしょに先に行き、僕は祖母と二人であとに残ることになった。
二人が出て行くと、祖母はがらんとした家の中を一わたり見てまわり、それから僕に戸じまりを命じた。
荷馬車が動き出したのは一時過ぎだった。いよいよ二度目の没落行だ。むろん家に未練はない。ただ兄弟三人が机をならべていた二階にかすかな愛着があるだけだ。