후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 117,781자 · 235화면
彼が学校にいるかぎり、彼の意識の底には、いつもその眼があり、古ぼけた校舎もそれで光っていたし、彼の教室に出て来る凡庸な先生たちにも、それでいくらか我慢が出来ていたのである。
それにもかかわらず、きょうは不思議に、今までその眼を思い出さなかった。騒ぎの最中はとにかくとして、室崎との事件のあった銃器庫の裏に、あんなに永いこと一人でいながら、どうしてそれが思い出せなかったのか、彼自身にもわからなかった。彼は、何か罪でも犯したように思って、気がとがめるのだった。
しかし、一方では、間もなく朝倉先生の前に出て、事実をはっきりさせることが出来るんだと思うと、何か昂然たる気持にさえなった。彼は、いつの間にか、朝倉先生の前で、宝鏡先生を言い伏せている自分を想像して、一人で力んでいた。
(先生は自分から進んで、僕に話したいことがあると言われた。それは、きっと僕を信じていて下さるからだ。)
彼は、そんなふうに考えた。
だが、また一方では、変に怖いような気がしないでもなかった。室崎との事件のあとで、先生に「自分より強いと思っていたものに一度勝つと、そのあと善くなる人もあるが、かえって悪くなる人もある。