후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 117,781자 · 235화면
ただ、彼は、彼にとって全く無意味だとしか思われない言葉を、いつまでも聴いているのがばかばかしかった。で、与えられた機会を無造作につかんで、対談をぶち切ってしまったまでのことで、それが相手にとってどんな迷惑になるかは、むろん、彼の知るところではなかったのである。
「生徒監に引き渡した以上、学級主任としては、あとがどうなっても知らんぞ。それでいいのかね。」
小田先生は、未練らしく、もう一度駄目を押した。
「いいです。」
次郎の答えは、あくまで簡単で、はっきりしていた。こうなっては、小田先生もいよいよ立ち上らざるを得なかったらしく、
「しばらく、ここで待っているんだ。」
と、捨ぜりふのように言って、隣室に消えた。
次郎は、一人になると、さすがに変な気重さを感じた。彼は、それをまぎらすように、室内を見まわしたが、正面に額が一つかかっているきりで、ほかには何の飾りもなかった。額には「思無邪」とあった。次郎は、しかし、それをどう読んでいいのかわからなかった。無邪気という言葉と何か関係があるんだろう、と思ったきり、それ以上考えてみようともしなかった。
隣室からは、おりおり笑い声がきこえた。