후리가나로 읽는 일본 고전
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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
国木田 独歩의 武蔵野(わすれえぬひとびと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 94,018자 · 192화면
憂えも怒りも心の戦いもやみて、暴風一過、かれが胸には一片の秋雲凝って動かず。床にありていずこともなく凝視めし眼よりは冷ややかなる涙、両の頬をつたいて落ちぬ。『ああ恋しき治子よ』と叫びて跳ね起きたり。水車場の翁はほぼかれが上を知れるなり。
この時またもや時雨疎らに降り来たりぬ。その軽き一滴二滴に打たれて梢より落つる木の葉の風なきにひるがえるさまを青年は心ありげにながめたり。時雨の通りこせし後は林の中しばし明るくなりしが間もなくまた元の夕闇ほの暗きありさまとなり、遠方にて銃の音かすかに聞こえぬ。青年は身を起こしてしばし林の中をたどりしが、直ちに路にはいでず、路に近けれど人目に隠るる流れの傍らにいでたり。こはかれが家の庭を流れてかの街を貫くものとは異なり、遠き大川より引きし水道の類ゆえ、幅は三尺に足らねど深ければ水層多く、林を貫く辺りは一直線に走りて薄暗きかなたより現われまた薄暗き林の木陰に隠れ去るなり。村の者が野菜洗うためにとてこの流れの幅をことさらに広く掘り、小さき入り江をなせる、いつもかれが好みて訪い来るところにいで落ち葉を敷きつ、茅、野ばら、小笹の類入り乱れし藪叢を背にしてうずくまり、前には流れの音もなく走るをながめたり。