일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しまでをかたる

死までを語る

直木 三十五

直木 三十五의 死までを語る(しまでをかたる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 42,739자 · 85화면

아오조라 문고

「五十銭足らんがな」

父は、ぽんぽんと、籠を引っぱたくが、五十銭は、破れ目の奥深く入っていて、出て来ない。

「わて、知りまへんで」

と、母がいうし、私は一生懸命だ。

「五十銭、負けたん忘れてんね、ちがうか」

一週間程かかって、ようよう一円盗んだ。それで、カーマンセラなるものを見に行った。「胡蝶の舞」一つ。スカートを大きく拡げるカーマンセラに、色電気を当てるだけの事である。余りつまらないので、冷汗かきかき一円盗んだのを後悔して、二度と、籠を利用しなかったが、本当に、手に汗を握っていた。

多分、この時分であろうと思う。怖ろしい夢を見るのが毎晩で、仕舞いに、夜になると、恐ろしさに、眠るのが嫌になった。夢は、ことごとく幽霊で、大抵、それがきまっている。「おんちゃん」の右側に、露次があって、その奥に井戸がある。上町の事とて、可成り深い、この井戸をのぞくと、中に、幽霊がいるのであるが、毎晩の夢にのぞいては、恐怖に、眼をさまして、蒲団の中へもぐる。耐えられなくなって

(幽霊なんぞ有るものか、夢じゃないか)

と、決心した。そして

(今晩見たら、掴みかかってやる)

果して、又井戸をのぞく夢であったが、幽霊はいなかった。