일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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のこされたるえど

残されたる江戸

柴田 流星

柴田 流星의 残されたる江戸(のこされたるえど)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 41,677자 · 80화면

아오조라 문고

と、「稲荷ァりさん、え、いなァりさん――」の声なるべし。

もしそれこの合の手として犬の遠吠えを加うれば、冬の情景ここにつくされて、限りなき淋しさを味うことが出来る。

されば夜なべの気も惓んじた頃、戸外に一度この声を聞く時は、狐窓から呼び止めて熱いのをと幾つか誂える。心得て枝炭新たにさしくべ、パタパタと急しく渋団扇ものせば、忽ちにパチパチと勇ましい音して、お誂えの数は揃う。

凡そ鍋焼饂飩は吹きふき喰べるような熱いのを最も賞美する。故に立ちのぼる湯の気の中に顔をうずめて箸を運ぶ時、三ッ葉あり蒲鉾あり、化粧麩、花がつおなど、いろいろの種物にまじわれば、丸三の安饂飩も存外に旨く味われて、食通も時に舌鼓を打つぞおかしい。

稲荷鮨は元来がおこんこ様好み。麻の実、萱の実、青昆布などの扱らいに、ツイ騙されて南京米をも知らずに頬張るが、以前はそんな吝なのはなかったものだ、憚んながら今でも千住の鈴木まで買いにゆくなら、ころもにしてある油揚も別製なれば、種物も米も吟味に吟味してある。殊に掻きたての辛子さえ添えてくれるには誰しもここに限ると御意遊ばすも無理ならぬこと。態々稲荷鮨くらいにと、電車すら通う便利な世になっても、まだ買いにも喰いにも行かないという人々には、のっけからお話も何も出来ないことだ。