일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ははのじょうきょう

母の上京

坂口 安吾

坂口 安吾의 母の上京(ははのじょうきょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,655자 · 33화면

아오조라 문고

彼の関心はオコノミ焼の主婦なので、夏川を主筋の知らない家へ移させ、自然に手を切らせようといふ算段だ。然し夏川もヒロシの身勝手な指金を怒る気持にもなれないので、オコノミ焼の主婦とていよく縁を切りうるなら、これも亦、いつによらず彼にとつては魅力ある事柄だからである。

母と子の関係はオモチャのやうなたわいもないものである。老いては子に教はるとイロハガルタの文句の通り、子が自立すると母は子供の子のやうな動物になりたがる。然し不肖の子供にとつて母がいつまでも母であるのが夏川には切ない。世の常の道にそむいた生活をしてゐると、いつまでたつても心の母が死なないもので、それはもう実の母とは姿が違つてゐるのであるが、苦しみにつけ、悲しみにつけ、なべて思ひが自分に帰るその底に母の姿がゐるのである。切なさ、といふ母がゐる。苦しみ、といふふるさとがある。

夏川の母はもう七十をすぎた年だが、田舎の武士の堅苦しい躾の中で育つた人で、中学時代の夏川は漢文の復習予習を母についてやらされたものだ。食事に膝をくづしてもたしなめられる厳格な母であつたが、それほどの母であつても、母といふ動物であることを免れない。