일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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さばくのこと

沙漠の古都

国枝 史郎

国枝 史郎의 沙漠の古都(さばくのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 110,076자 · 220화면

아오조라 문고

しかし神々しい鐘の音ももう明日からは聞かれまい。明日はこの国ともおさらばだ。東洋と西洋とを一つに蒐めて亜弗利加の風土を取り入れたような、異国情調のきわめて深い世にも懐しい西班牙を立って明日は沙漠へ向かわねばならぬ。支那の西域羅布の沙漠! そこへ私は出かけるのだ。沙漠は私を呼んでいる。その呼び声を聞く時は西班牙を懐かしむ心などは跡方もなく消えてしまう! 私は今日までまあどんなにその呼び声を待ちかねたろう……冬薔薇の匂いがまた匂う。三年前に立ち去った故国の我が家の面影がまたもわが眼に映って来る。私の思い出はその家へ今なつかしく帰って行く。

支那広東裳花街。そこに私の家がある。家といっても父も母も遠い昔に死に絶えてたった一人の妹だけが老婆の召使いと二人きりで寂しく暮らしているばかりだ。父母は革命の犠牲となって袁世凱の軍に殺された。そして家財は没収され家の大半は焼き払らわれてしまった。その時私は十五歳であった。そうして妹は十一であった。忠義な召使い夫婦の者に私達兄妹は救われた。焼け残った家へ立ち帰って父母の屍を葬ってからの私達兄妹の生活は昔の栄華に引き代えて世にも貧しいものであった。