후리가나로 읽는 일본 고전
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なみのごとくきょらいす
波の如く去来す
小川 未明
小川 未明의 波の如く去来す(なみのごとくきょらいす)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 852자 · 2화면
人間の幸不幸、それは一様ではない。十人が十人、皆それ/″\の悩みと楽しみとがある。併し恐らく一生を通じて苦悩のない者はなく、歓喜のないものも又ないだろう。そしてそれらは、波の寄せては返すように、循環しているものであろう。誰でもが自分の生活を享楽と、総て喜びでありたいと願うだろうが、併しそれは、健康な者が常に健康ではあり得ないように、少しの間隙が生ずれば、直に不安は襲うて来るであろう。又それは、明るみを歩む人間に、常に暗い影が伴い、喜びの裡に悲しみの潜むのと同じである。しかし悲しみの中にも来るべき喜びの萌しのあるのも勿論だ。
人間は苦悩に遭遇した時、「いつこの悩みから逃れられるのか?」と、恰もそれが永久に負わされた悩みでもあるかのように転々反側するけれど、ものには限度のあるもので、その後には必ず喜びが来る。まして人間は忘却と云うものを有っている。忘却は総てのものに……永久の苦しみも喜びも、その人の人生観を一変させるほどの失恋の苦悩でも……を、やはり時が経てば、昔のそれのようにさせない。最愛の子を失うた親の悲しみも、月日が経てば忘れ得る。総ては時の裁断に待つのみだ。