일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はたのてい

波多野邸

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 波多野邸(はたのてい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,194자 · 45화면

아오조라 문고

波多野洋介が大陸から帰って来たのは、終戦後、年を越して、四月の初めだった。戦時中の三年間、彼地で彼が何をしていたかは、明かでない。居所も転々していた。軍の特務機関だの、情報部面だの、対重慶工作だの、いろいろなことに関係していたらしく言われているが、本人はただ、あちこち見物して歩いたと笑っている。実際のところ、本人の言葉が最も真実に近いものであろう。

彼は事実をあまり語らなかった。意見を殆んど述べなかった。曖昧な微笑と掴みどころのない言葉とで、すべてをぼかしてしまった。故意にそうするのではなく、自然にそうなるかのようだ。大体に於て、所謂大陸ボケかとも思えるところがあった。あの人は少しぼんやりしている、というのが一般の印象だった。すくすくと伸びた体躯、肉附も普通で健康そうだったが、陽やけした顔の表情に、紙を一枚かぶせたような趣きがあった。然し、注意して眺めると、その重たそうな瞼の奥から、時折、両の眼があらわに露出してきて、表情を覆うている紙にそこだけ穴があくことがあった。

破壊と建設とが話題になってる時のことだった。――破壊と建設とは二つのものと考えてはいけない。