후리가나로 읽는 일본 고전
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なきむしこぞう
泣虫小僧
林 芙美子
林 芙美子의 泣虫小僧(なきむしこぞう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 34,906자 · 70화면
一
閻魔蟋蟀が二匹、重なるようにして這いまわっている。
啓吉は、草の繁った小暗いところまで行って、離れたまま対峙している蟋蟀たちの容子をじいっと見ていた。小さい雄が触角を伸ばして、太った雌の胴体に触れると、すぐ尻を向けて、りいりい……と優しく羽根を鳴らし始めた。その雄の、羽根を擦り合せている音は、まるで小声で女を呼ぶような、甘くて物悲しいものであったが、蟋蟀の雄には、それが何ともいえない愛撫の声なのであろう、りいりい……と鳴く雄の声を聴くと、太った艶々しい雌は、のそのそと雄の背中に這いあがって行った。太ったバッタのような雌は、前脚を草の根に支えて、躯の調子を計っていたが、やがて、二匹共ぜんまいの振動よりも早い運動を始め出した。
つくねんと土いじりしながらそれを視ていた啓吉は、吃驚した気持ちから、おぼろげな胸のとどろきを感じた。
雄は目に消えてしまいそうな小さい白い玉を、運動の止まった雌の横腹へ提灯のようにくっつけてしまうと、雌はすぐ土の上へ転び降りて、泥の上を這いずりながら、尻についた一粒の玉を何度か振りおとしそうに歩いた。すると小さい雄は、まるでその玉の番人か何かのように、暴れまわる雌の脚を叱るようにつつくのであった。