후리가나로 읽는 일본 고전
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
葉山 嘉樹의 海に生くる人々(うみにいくるひとびと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 161,305자 · 321화면
波の絶頂に上がった時に、一方の鉤だけをはずすならば次の瞬間には、そのサンパンは鮭のようにつるされているだろう。それが、波の最低部にまでおろされることは、不可能であった。鉤がはずれるであろう。もし鉤がはずれなければ、本船のどてっ腹へその頭か、またはひよわいその腹を打っつけて、砕けてしまうだろう。
ボートデッキで綱の操作をしている二人の水夫も、伝馬の中にあって、しっかり、鉤のはずれないように握った、波田も字義どおりに「一生懸命」であった。波は、本船の船腹を蛇の泳ぐように、最高と最低との差を三間ぐらいに、うねりくねっていた。
今、伝馬は波の斜面に乗った。波田はともの鉤をはずした。とその時に「スライキ、スライキ、レッコ」と怒鳴った。「延ばせ、延ばせ、打っちゃれ」という意味である。伝馬への本船からの臍の緒のごとき役を努めていた綱は今一方はずされ、どちらも延ばされた。波田はすぐに、船首の方の綱をも、うまくはずすことができた。そして、伝馬は、今や、本船と完全に独立した小舟になった。と同時に、伝馬は、すでに十間余りを押し流されていた。そしてそれは、盆の中で選り分けられる小豆のように、ころころした。