후리가나로 읽는 일본 고전
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かいじんにいのる
海神に祈る
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 海神に祈る(かいじんにいのる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,486자 · 26화면
権兵衛は其の眼を港の口の方へやった。其処には釜の形をした大きな岩礁が小山のように聳えたっていたが、人夫の影はなかった。
「それでは往こうか」
権兵衛は歩きだした。松蔵と総之丞は其の後から往った。
三
権兵衛は釜礁の上の方へ往った。人夫たちは釜礁を離れて其の右側の大半砕いてある礁の根元を砕いていた。其処には赤泥んだ膝まで来る潮があった。
どっかん、どっかん、どっかん。
権兵衛は右側の礁にかかっている人夫だちの方を見ていたが、やがて其の眼を松蔵へやった。
「松蔵」
「へい」
松蔵は権兵衛に並ぶようにして前へ出た。権兵衛は屹となった。
「松蔵、岩から血が出るの、小坊主が出るのと云うのは、迷信と云うもので、そんな事はないが、神様は在る。神様はお在りになるが、神様は決して邪な事はなさらない、神様は吾われ人間に恵みをたれて、人間の為よかれとお守りくだされる。従って良え事をする者は神様からお褒めにあずかる。此の港は、此の土佐の荒海を往来する船のために、普請をしておるからには、神様がお叱りになるはずはない。此の比暫く大暴風もせず、大波もないが、これは神様のお喜びになっておる証拠じゃ。