일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

しぶやけのしそ

渋谷家の始祖

宮本 百合子

宮本 百合子의 渋谷家の始祖(しぶやけのしそ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 68,023자 · 133화면

아오조라 문고

中二日置いた靄(もや)の濃い冬の朝、膏と油煙で黒光る顔を洗いもせずに、九段の家の敷居を跨いだ彼は、もうそれきり、二度とK県へ、振向こうともしなかった。

僅か半年とはいいながら、充分に物凄まじかった正隆の教員生活は、最後の、半ば気違いになった大飛躍で、遠い、遠い彼方まで、放擲されてしまったのである。

副島氏等からの音信によって、正隆は、もう立派な病人だと思い込んだ未亡人は、ひたすら、彼の恢復を希うばかりで、今更、彼を元の位置迄送り返そうなどとは、夢にも思ってはいなかった。

そればかりでなく、未亡人は、丁度注意深い獣使いが、傷に触って、狂う獣を一層荒れさせまいと用心するように、どんな場合にでも、決してK県の話だけは、鬼門にして触れなかった。

また一方からいえば、あれほどの希望と、誇りとを負わせて送り出した彼女は、この常軌を逸した彼の帰京を、病気にでも理由つけて置かなければ、到底堪らないほどの、失望や、間の悪さを感じるのだったろう。

従って、かなりまで強調された「病人」の特権によって、正隆は、質問を受けないのみならず、自分自身も、何の反省や自責で、苦しめられずに済んだ。