후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
しぶやけのしそ
渋谷家の始祖
宮本 百合子
宮本 百合子의 渋谷家の始祖(しぶやけのしそ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 68,023자 · 133화면
疑い出して見ると、事は紛糾するばかりである。どこにも、決定を与えるべき証拠がない。ああだろう、こうだろうと云っているうちに、人は不安にならずにはいられない。そういう結論の与えられない疑の中を這い廻っている自分自身が、一時(いっとき)も堪らないほど、厭に、不安になって来る。そして、結局は、どうでも好い、早く何等かに片をつけてしまったら好いではないかという心持に、なって来るのである。
こういう場合、与えられる決定が、それを受ける者を考の中心に置いていないことは、明かである。自分の不安を追うための決定である。自分に与える回答である。従って、最も平明な、最も単純なものを「よし」とすることは免れ得ないことなのである。
正隆の仕事を挾んで向い合った時にも、皆が知らずに、皆がこんな心持になっていた。そして、掴みどころのない、いざこざの末、
「そんな疑いがあるのなら、一層、面倒のない方に極めた方が、一番簡明でいいじゃあないか」
という発言の下に、出来栄としては数等劣った、劣っているが故に、真田の実力であるに違いない仕事を、採決することになってしまったのである。
洋行とか留学とかいうことが、直接自分達の生活とは、何の関係も持っていない者達は、悪意のない無関心で、評議の材料を取扱ったのだろう。