일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

おぼるるもの

溺るるもの

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 溺るるもの(おぼるるもの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,690자 · 36화면

아오조라 문고

あたりはまだ寝静まって、ぽつりぽつりと、朝帰りの男の影が、幻のように見えていた。あの人……というただそんな気持だけで、あたしは何もかも忘れてぼんやりしていた。

それでも、病院にいって、看護婦にたのんで、歯のぬけたあとに薬をぬって貰った。

戻ってくると、男はもう帰っていた。姉ちゃんの小言をきき流して、あたしは二階に上った。これであのお客もしくじっちゃった、とそんなことを、三四度来たことのある男について、小気味よく考えながら、着物のまま布団にもぐりこんだ。歯の痛みはけろりとなおっていた。あの人のこともぼーっとなっていた。あたしはぐっすり眠った。

呼び起されるまでは眼を覚さなかった。起上ってからもぐずぐずしていた。お湯や髪結にいっても、何だかぼんやりして、いつもより時間をつぶした。

今日は休んでやろうか、とも思ったが、あの人が来そうな気がして、つとめてお店に出た。

お母ちゃんから、ちくりちくりと皮肉な針をさされた。この頃どうかしてるとか、馴染のお客さんがずんと減ったとか、なまけ癖がついたとか、そんな風に遠廻しに云われた。なんでもないのよ、とあたしは答えたが、そんならお前さんの腹の中を云ってみようか、と云われると、あたしは口を噤むより外はなかった。