후리가나로 읽는 일본 고전
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たきぐち
滝口
山本 周五郎
山本 周五郎의 滝口(たきぐち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 49,815자 · 99화면
いま益村家の庭は秋のさかりで、別棟になった数寄屋のまわりにある杉林の、黒ずんだ緑のあいだから、若木の楓のみごとに紅葉した枝の覗いているのが、朱を点じたようにあざやかに眺められた。池のまわりにある芒はみな穂をそろえているが、風がまったくないので、その穂はみなひっそりと、秋の午前の陽ざしをあびたまま動くけはいもなかった。
「その娘がふしだらだという告げ口は、二人や三人から聞いたのではなかった」と彼は続けた、「おれはまだ十八そこそこだったし、生れて初めての経験だから、辛抱しきれなくなって娘を問い糺した」
おりうは眉をひそめ、いかにも心が痛むというふうに呟いた、「可哀そうに」
「娘は弁解らしいことはなにも云わなかった、黙って、きつい眼つきでおれの顔を見まもったまま別れ、それっきり会わなくなった」彼は茶を啜り、茶碗を持ったまま、ちょっと息をついでから続けた、「――若いからおれは長くは悩まなかった、まもなく忘れたんだろう、そして二年ばかりのちに、その娘が尼になったと聞いてびっくりした」
藩の菩提所、鶴尾山万祥寺に清法院という尼寺がある。先々代の藩主、安房守正刻の側室に――といっても国許のことだから公式ではないが――松室よりという人があり、安房守の歿後その菩提をとむらうため尼になった。