후리가나로 읽는 일본 고전
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みおつくし
澪標・落日の光景
外村 繁
外村 繁의 澪標・落日の光景(みおつくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,889자 · 268화면
穏かな晩である。風もなく、戸外にも騒音は全くない。或は空にも星はないかも知れない。が、闇の中で、密かに花花の受精が行われているような晩である。
「とにかく、あの病院は精神衛生上よろしくないよ」
「そうね、恐しいところね」
「しかし、上顎の人が、あんなに多いとは知らなかったね」
「それに、あれは、直ぐ転移するらしいの。よかったわ、ねえ、お父さん」
「お互に、まずは目出たしだ。今夜は、酒が格別うまいよ」
母は既に床に就き、子供達はテレビの前にいるらしい。時時、一番年少である、女中の綾子の開け放しな笑声が聞こえて来る。
「昨夜までのように、ここで、一人で飲んでるのは、侘しいもんだよ。もっとも、退屈すると、直ぐ山形へ飛んで行ったがね」
「飛んで行ったって?」
「いや、酔ってくると、天神山や、太子堂などの、山形の景色が直ぐ浮かんで来るんだ。でも、やっぱり一人だもんな。つまらんよ。そうだ、この夏は、二人で山形へ行こうよ」
「二人で、行きましょう」
素子の故郷は山形の蔵王山中の一峰、竜山の山腹にあって、壮大な眺望をほしいままにすることができる。しかし、いつか、どこかで、私は妻と同じような会話を交したように思う。