후리가나로 읽는 일본 고전
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みおつくし
澪標・落日の光景
外村 繁
外村 繁의 澪標・落日の光景(みおつくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,889자 · 268화면
白い花房をつけた百日紅の枝が、風の中で立ち騒いでいる。いかにもしどろもどろと言った感じである。地上にも多くの花を散らせている。また雨が繁吹きを上げて降って来る。木の葉に溜まった水滴を、風が忽ち吹き飛ばす。水滴はピカッと光っては、直ぐ消える。が、雨はまた止んだ。
素子が緩り起き上った。ひどく怪訝そうにその身辺を見廻している。
「今日は、かなりよく眠れたね」
「そう、そんなに眠ったのか知ら」
「かれこれ五時になるだろう」
「そう。すると、随分、眠れたわけね。嬉し。そう言えば、起きた時、体の調子がいつもと少し違っていたわ」
その翌日から、また暑い日が続いた。しかし、既に立秋は過ぎた。気の故かも知れないが、どことなく秋の気配の流れるのを感じた。門前の桜の落葉もめっきりその数を増した。庭にはいかにも秋の花らしい、黄蜀葵の淡黄色の花が咲き続いている。秋海棠も桜貝のような薄紅色の蕾を脹らませた。
あの颱風の日以来、日毎に、素子の頸部の痛みは、不思議なように薄らいで行くようである。昼の間は麻痺薬を用いない。それでも横になっていられるようになる。そのまま、浅いながら眠りに落ちてしまうこともある。