일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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みおつくし

澪標・落日の光景

外村 繁

外村 繁의 澪標・落日の光景(みおつくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,889자 · 268화면

아오조라 문고

しかしそんな仏教的な雰囲気の記憶は、今も私の脳裡に朦朧と、しかし確かに残っている。

幼年期の、このような覚束ない記憶の中に、今も極めて鮮明な印象を刻んでいる、一つの記憶がある。地獄絵の中にいる女亡者の姿である。

字の中央、観音寺山城の鬼門にあたると伝えられているところに、小堂宇がある。一人の老尼が守っている。春秋の彼岸会に、地獄極楽の絵がその堂内に掛けられる。こんな小堂宇が所蔵しているものであるから、絵画としては勝れたものではなかろう。しかし私は文字通り戦慄した。

赤と黒の、あくどい色彩を背景にして、女亡者達はいずれも半裸体である。肌はまっ白に塗られ、短い、赤い腰巻をしている。奇怪なことに、私はそんな女亡者の姿に、生れて初めて女を感じた。しかも絵の中の形だけの女ではない。母や、若い女中の体との接触によって、いつともなく感じとっていたらしい女を感じた。しかしそれを性と言えば、言い過ぎであるかも知れない。愛と言ってもよい。しかしその愛は肉体から肉体へのみ通じ得るような、極めて幼く、優しいものである。その優しいものが、酸鼻の極限の下に置かれているのである。