후리가나로 읽는 일본 고전
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ぼくとうきだん
濹東綺譚
永井 荷風
永井 荷風의 濹東綺譚(ぼくとうきだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 57,666자 · 114화면
翁の街頭に佇立むのは約束した人の来るのを待つためばかりではない。寧これを利用して街上の光景を眺めることを喜んでいたからである。翁が生前屡わたくしに示した其手帳には、某年某月某日の条下に、某処に於いて見る所、何時より何時までの間、通行の女凡そ何人の中洋装をなすもの幾人。女給らしきものにして檀那らしきものと連立って歩むもの幾人。物貰い門附幾人などと記してあったが、これ等は町の角や、カフエーの前の樹の下などに立たずんで人を待っている間に鉛筆を走したものである。
今年残暑の殊に甚しかった或夜、わたくしは玉の井稲荷前の横町を歩いていた時、おでん屋か何かの暖簾の間から、三味線を抱えて出て来た十七八の一寸顔立のいい門附から、「おじさん。」と親しげに呼びかけられた事があった。
「おじさん、こっちへも遊びに来るのかい。」
初めは全く見忘れていたが、門附の女の糸切歯を出して笑う口元から、わたくしは忽ち四五年前、銀座の裏町で帚葉翁と共にこの娘とはなしをした事があったのを思出した。翁は銀座から駒込の家に帰る時、いつも最終の電車を尾張町の四辻か銀座三丁目の松屋前で待っている間、同じ停留場に立っている花売、辻占売、門附などと話をする。