일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ひのとり

火の鳥

太宰 治

太宰 治의 火の鳥(ひのとり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 37,740자 · 76화면

아오조라 문고

をくれた。さちよは、不思議であった。木炭紙を裏返してみると、父の字で、女はやさしくあれ、人間は弱いものをいじめてはいけません、と小さく隅に書かれていた。はっ、と思った。

そうして、父は、消えるようにいなくなった。画の勉強に、東京へ逃げて行った、とも言われ、母との間に何かあった、いや、実家と母との間に何かあった、いや、先生には女ができたのだ、その他さまざまの噂が、さちよの耳にひそひそはいった。間もなく、母が、自殺した。父の猟銃でのど笛を射って、即死した。傷口が、石榴のようにわれていた。

さちよは、ひとり残った。父の実家が、さちよの一身と財産の保護を、引き受けた。女学校の寮から出て、また父の実家に舞いもどって、とたんに、さちよは豹変していた。

十七歳のみが持つ不思議である。

学校からのかえりみち、ふらと停車場に立寄り、上野までの切符を買い、水兵服のままで、汽車に乗った。東京は、さちよを待ちかまえていた。さちよを迎えいれるやいなや、せせら笑ってもみくちゃにした。投げ捨てられた鼻紙のように、さちよは転々して疲れていった。二年は、生きた。へとへとだった。討死と覚悟きめて、母のたった一つの形見の古い古い半襟を恥ずかしげもなく掛けて店に出るほど、そんなにも、せっぱつまって、そこへ須々木乙彦が、あらわれた。