일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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てん

点

小川 未明

小川 未明의 点(てん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,063자 · 17화면

아오조라 문고

別に礼儀も何も知らない彼等のことだから、翁に対しても言葉一つかけるでもない。翁はまた熱心に下を向いて書物を読んでいて此方を見ようともしないのである。やがて、あたりが静かになると、遠くの遠くで、何やら物売の笛の音が聞える黄昏の時刻となる。

この時、翁はやっと頭を上げて、側の色硝子の張ってある高窓の方を見ると、急に張りつめていた胸の力が衰えて、遠い感がして、知らずに眼に熱い涙が湧いて「ハーッ。」と溜息を洩らすのである。ああ、彼が故郷を思い出すのは、僅かにこの一瞬時あるばかりであった。翁は、机の上の書物を伏せて、手を合せて指を組んで、頭の上に当て俯向して、神に何をか祈る……翁が初めの五年、六年は斯様風のものであった。

それが或年から、全く翁の身形や、信仰が変ってしまった。

翁は或時、赤目の跛を拳で擲った。こんなことは今迄の翁に決してなかったことだ。翁は日頃着ていた鼠色の服を脱いで、全く裾の長い真黒の喪服に着換えてしまった。而して頭髪をも剃り落して、真黒な頭巾を被った。今迄何処か人懐そうな柔和であった眼は、険しくなって、生徒に対する挙動まで荒々しくなったのである。