후리가나로 읽는 일본 고전
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むげつものがたり
無月物語
久生 十蘭
久生 十蘭의 無月物語(むげつものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,485자 · 36화면
そのほかにも人の意表に出るような行動が多かった。泰文の身体のなかには、陳腐な習俗に耐えられないムズムズする生物のようなものがいて、新奇で不安な感覚を与えてくれるような事柄にたえず直面していないと、生きた気がしないといったように、野性のままの熱情をむきだしにして、奔放自在にあばれまわった。
衒勇をふるうことも趣味の一つであった。当時、粟田口や逢坂越に兇悪無慙な剽盗が屯していて、昼でも一人旅はなりかねる時世だったが、泰文は蝦夷拵え柄曲の一尺ばかりの腰刀を差し、伴も連れずに馬で膳所の遊女宿へ通った。遠江の橋本宿は吾妻鏡にも見える遊女の本場だが、気がむけばそのまま遠江まで足をのばすという寛濶さで、馬で疲れると、行きあう馬をひったくり、群盗の野館のあるところは、
「中納言大蔵卿藤原ノ泰文」
と名乗りをあげて通って行く。声の大きなことは非常なもので、賊どもは気を呑まれて茫然と見送ってしまうというふうだった。
また泰文は破廉恥な愛欲に特別な嗜好をもっていた。醍醐の花見や加茂の葵祭、勧学院の曲水の宴、仙院の五節舞、そういうありきたりな風流にはなじめない。すまし顔の女院や上※(「藹」