후리가나로 읽는 일본 고전
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ちちすぎやましげまるをかたる
父杉山茂丸を語る
夢野 久作
夢野 久作의 父杉山茂丸を語る(ちちすぎやましげまるをかたる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,127자 · 25화면
なお父が濛々たる関羽髯を剃落したのも、その序ではなかったかと思う。
それから父は、家族連中の環視の中で、先祖重代の刀を取出して、その切羽とハバキの金を剥ぎ、鍔の中の金象眼を掘出して白紙に包んだままどこかへ出て行った。そうして直ぐに帰って来たようにも思う。ナカナカ帰って来なかったようにも思う。
その後の事であったか、その時の事であったか、父の弟の五百枝と、末弟の林駒生と三人が、家の外に集まって下水の掃除をしていた姿を思い出す。その中で、どうしても一個所竹竿の通らない処を、父が鍬で掘出して土管を埋め直し、若い叔父さま二人に水を汲んで来て流して見ろと命じていた。その泥だらけの颯爽たる姿を、そこいら一面に生えていた、犬蓼の花と一所に思い出す。
やはりその頃の事であったと思う。
父は六歳になった筆者を背中に乗せて水泳を試み、那珂川の洲口を泳ぎ渡って向うの石の突堤に取着き、直ぐに引返して又モトの砂浜に上った。滅多に父の背中に負ぶさった事なぞない私はタマラなく嬉しかった。
その父の背中は真白くてヌルヌルと脂切っていた。その左の肩に一ツと、右の背筋の横へ二ツ並んで、小さな無果花色の疣が在った。