일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふぼにたいするしじょう

父母に対する私情

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 父母に対する私情(ふぼにたいするしじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,333자 · 9화면

아오조라 문고

然し父母にとっては、私よりも更に淋しかったろうと思われる。

私は兄弟も姉妹もない全くの一人子である。それなのに、田舎の父祖の業を継ぐことをしないで、中学を卒業するとすぐ東京に出で、文学の方面に進み、東京で暮すようになった。そんなことが、何等の障害もなく、全く私一人の意志で、すらすらと運ばれてしまった。然しながら、私を故郷に引止めたい感情を、母は多分に持っていたろうし、また、政治や実業などに関係ある生活をしてた父は、文学なんかより法律などを私にやらせたかったに違いない。それなのに、父母と私とは、未来の抱負とか目的とか生活とか、そんなことに就て真面目に語り合ったことがなく、凡てはただ一二言で片付いてしまって、私は自分の思う通りに進んでき、父母はそれを黙って許してくれた。

中学を卒業して東京に出てくる時、または、大学を卒えて東京に定住する時、父母と私とは、故郷の清らかな河原なんかに、夕凉みのそぞろ歩きをすることもあった。そんな時、夕映の空や河原の野花などを眺めながら、父母は私の今後の生活について話したかったろうし、私も自分の志望や目的などについて話したかったが、然しただ一二言のうちに互に首肯し合って、つまらないことばかりを話題にした。