후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ぎせいしゃ
犠牲者
平林 初之輔
平林 初之輔의 犠牲者(ぎせいしゃ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,364자 · 37화면
妻は勿論論外だ。さりとて、護謨会社の一事務員である自分には、怪しむべき交友もない。社は忠実につとめている。社長は自分が忠実にはたらくことを知って並々ならぬ好意を示している。工場へは出入しないから、職工とは別に交渉はない。事務員はほかに四人いるが、みんな自分をすいている。小使は社中で自分に一番したしんでいるし、自分も彼には親切にしてやっている。給仕に至っては、自分は他の事務員のようにこきつかわないで、友達同然につきあっている。そのほかには、自分に交渉のある人間は世界中に両親のほかにはないといってもよい。こんな平和な、安穏な環境に生きている自分に、一体警察沙汰になるような事件の渦中に巻きこまれる可能性があるだろうか?
全身はぞくぞく寒い。頭はうずく。縄が両腕に喰い入ってぴりぴり痛む。頭には旋風が吹いているようで何が何やらさっぱりわからぬ。彼は、この奇怪極まる立場にいることが次第に腹立たしくなって来た。一体彼等は自分をどうしようというのだろう。どうにでもしてくれ。一刻もはやくどうにか始末をつけて貰いたい。その代り、ここからはやく出して貰いたい。この光を奪われた底冷たい無気味な部屋にいることだけは一分間でも辛棒ができん。