후리가나로 읽는 일본 고전
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いちろうじん
犬田卯短編集二
犬田 卯
犬田 卯의 犬田卯短編集二(いちろうじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 51,383자 · 103화면
でも、一文なしではしようあるめえから、とにかく何に使うばって、その銭はとっておけな。」
「駐在所へだけは届けておこうかな。」
彼女はそう言いながら起ち上る拍子に畳の上の五十銭玉二枚をつかんで掌に入れていた。
村の巡査駐在所は隣部落――お梅やお民らの近くにあった。お通は昨日の道筋をさらに丹念に探してから駐在所の方へ急いだ。と、どこかへ出かけようとする巡査が自転車で先方からやってくるのに出遇ったので、それをよび止め、紛失の話をした。すると巡査は笑って、
「ようく探したか、どこか家の中へ置き忘れてでもいるんだねえか」と軽く受けた。
「そんなはずはないんですがね。」凋れるお通を見ると、それでも、「拾得人が届けてよこしたらすぐに知らせるから。――でも、何だな、もっとよく方々さがしてみるんだな。」
そして自転車をとばして行ってしまった。
お通は巡査のその態度に何だか悲しくなって胸がいっぱいだった。軽蔑していた占い者へ、やっぱりすがろうとする気持が、むらむらと起ってくるのを抑えることが不可能だった。占いをする人というのは渡りもので、十年ばかり前にこの村へ落ちつき、籠屋渡世をしているのだが、本職の方よりは、家の方位を見てくれとか、子供が長病いをしているが何かの崇りではあるまいか考えてくれとか、嫁取り婿もらいの吉凶から、夫婦喧嘩