일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いちろうじん

犬田卯短編集二

犬田 卯

犬田 卯의 犬田卯短編集二(いちろうじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 51,383자 · 103화면

아오조라 문고

の末にいたるまで、あらゆる日常的な、しかしながら常識をもってしては判断のつかぬ事柄があると、きまって依頼されるその種の占いの方が収入になっていたのである。お通がこっそりと土間へ踏みこんだとき、この籠屋はまだ朝食をすましたばかりらしく、どてら着のまま長火鉢の前ですぱり、すぱり煙草をうまそうにやっていた。どこと言ってこの辺の普通の百姓と変りのないその様子……身装顔付、応対ぶり、それらが村人をして何の遠慮もなくここへ足を踏み入れさす原因かも知れない。お通も近所の人へ物をいうような口調で、昨日の一件をこの卜筮者にまで述べたてたのであった。

すると籠屋は煙管を措き、茶を一杯ぐっと傾けて、さて、表座敷の神棚から一冊の手垢に汚れた和本を下ろして来て、無雑作にたずねはじめた。

「昨日の何時頃だったけや、家を出たのは……東の方角へ向ったんだな、それから南へ向って行った。と、朝の九時頃。」

お通はどうせ見てもらうのなら出来るだけ委しく見てもらいたかったし、別に身の恥をさらすわけでもないのだからと思って、覚えているだけのことは残らずいうつもりだった。が、籠屋は自分の訊ねた以外の話は、ただうなずくだけで受けながし、じっと本を眺めていたが、お通が終らぬうちに言いはじめた。