후리가나로 읽는 일본 고전
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いちろうじん
犬田卯短編集二
犬田 卯
犬田 卯의 犬田卯短編集二(いちろうじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 51,383자 · 103화면
と詰られる結果に陥ってしまった。儀作は、それを弁解かたがたふかい理由を書き送ろうと、鉛筆の芯をなめていたのである。実際、それは彼にとって深い、いや、それ以上に、解りにくい問題だった。
「アノ金は、ナルホドお前には、これまで、きかせずに置いたが……アレは、その、関東大震災のときだったから、コトシで……」
ようやくのことでそんな風にはじめたものの、再び彼は、鉛筆の尖を半白のいが粟頭へ突き差すように持って行ってごしごしやり出した。どうもやはり駄目だ。
それというのが、村のもの誰一人の例外もなく、それまで、田のあぜであり、畑のふちであると考えて、それ以上のことはてんで詮索しようとしなかった山腹や川沿いの荒地(それなしには傾斜地のことで田の用水は保たず、畑地にあっては、耕土の流亡を免れない場所)それが実は官有地であって、『荒蕪地』という名目のもとに大蔵省の所管に属していたとかで、そしてそれだけなら何も問題はなかったのであるが、そこが改めて民間に払下げられることになったという、……もう十七八年も前の話に遡らなければならぬいきさつなのだ。
当時、それと聞いて、誰一人、頭を横ざまに振らぬものはなかったが、儀作にとっても同様、どんなに拳骨で自分の素天辺をなぐってみても、そういう理窟は、いっかな、さらりとはいかなかった。