일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いちろうじん

犬田卯短編集二

犬田 卯

犬田 卯의 犬田卯短編集二(いちろうじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 51,383자 · 103화면

아오조라 문고

洋服を着た周旋屋がきょろきょろと隣村の停車場から下車して、この部落へも姿を現すのを彼とて知らぬわけはなかった。軍需景気で、東京方面ではそういうものがいくらでも必要だということも。

しかし、儀作は女房の一言にかっとなって、

「ばかッ」とどなった。

「ばかッ、そういうまねは、流れ者か、碌でなしのすることで、れっきとした先祖代々からの百姓のすることだねえど。この青瓢箪。」

「でもそんなことを言ったって、馬にゃ換えられめえ。」

「ばかッ……」

「俺、お美津にきいて見ッから。」

お美津はそのとき、封印された馬に新しい切藁を与えていた。飼葉桶を内側へ入れようとすると、馬はいつものように鼻で言葉をいうように首を押しつけてくる。「こら、そんなことして……これ、汚れるからやだよ。――そんなことしねえたって、やるからそれ……あら、こんなによだれだらだら、俺げくっつけて……」

それからお美津は、厩の前を掃除して、その掃き屑を塵取りに入れ、屋敷のすみの柿の木の下へ掘った穴へ棄てにゆく。鶏の群が何か餌でもくれるのかと思って、ぞろぞろとそのあとを追う。ねんねこ絆纏をまだ脱ぎもせず、長い、雪に埋もれた冬の間、火もない土間で、夜まで繩をなったために、手は霜焼けに蔽われ、髪の毛はかさかさにほおけ立って見える。