후리가나로 읽는 일본 고전
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いちろうじん
犬田卯短編集二
犬田 卯
犬田 卯의 犬田卯短編集二(いちろうじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 51,383자 · 103화면
「じゃ、どうぞよろしく。」
「承知しました。」
意気揚々としてそこを出た男爵は、Kの肩を叩いて、
「君、どうだね。ひとつ満州へ勇飛しないかね。」
「いや、大いに勇飛したいと考えていたんですがね。」
「じゃ、僕のところで高給を出そうよ。それからね、僕は、実に、その君の高潔なる犠牲的精神と、現代、農村青年のみが持っている本当の真面目さに惚れ込んだよ。それでだね、どうだね、折入って話したいことがあるんだが……」
若いKは、東京の男爵閣下に、かくも慇懃に持ちかけられたので、じゃ、ひとつ、そこでひと休みしながら……と言わざるを得なかった。何となれば、ちょうどそこには、それにふさわしい「御休所」があったのである。
卓を囲んで、女給が、どうぞお一つ……と来てからややあって、男爵はKの耳に顔を寄せていうのであった。
「実はね、僕は君のような真面目な、日本精神を体得した青年を探していたんだ。で、これはまアさきの話であるが、いや、現在でも決して差支えないんだ……ね、僕の縁者に一人の、まア、いわば僕の妹のようなやつがいるんだ。君、そいつと結婚してやってくれないかね。独身で満州くんだりまで行くなんて、われわれ若き男性にとって、こいつは残酷だからな。