후리가나로 읽는 일본 고전
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
宮本 百合子의 獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 174,521자 · 344화면
公園や並木道の秋、雨の日などの風情は、このぬれて空なベンチで特徴づけられます。リュクサンブール公園は今度の巴里の戦いでは主戦場になったそうでしたから、この秋あすこの美しい樹木や彫像や其こそベンチはどういう姿で秋日和の中にあるでしょう。十月下旬は驟雨が多いわ。その中にふとコーヒーの匂がするという工合で。ムードンの森も、きのこを生やして、しずかでゆたかな森と云えない秋ですね。リュクサンブールのぐるりには中国の留学生が多くて、あの人々のフランス語は自分の国の喉音や鼻音と共通なところがあるせいか、きわめて自在です。互に自分のことばで話さないのよ。でも、やはりこの附近のやすい支那飯やへ行くとそこは国の人ばっかりで(ああ。そうそう。裏へ返さなくては。つい忘れて)お国言葉で談論風発です。国事を談ずる、という風にやっていてね、独特な野性味があって、つまり地声でやっているのね。外国人の話す外国語で、この自然な地声で喋れるようになるにはよほどであると思います。語学の道から云うとなかなかなのでしょうが、一寸別の道、人間の出来、というところから云うと、いつもそう話す、という程度の人間も少しは在るわけです。