일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

宮本 百合子의 獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 174,521자 · 344화면

아오조라 문고

その人の情熱の勘ちがいから。トルストイが宗教へゆき、ドストイェフスキーが「悪霊」以後に陥った泥。弱少なる其々が、積極を求めて消耗的恋愛に入ったり、所謂経験渉りに焦って消磨したり。

わたしに、そのどれもが入用でないことはよくわかっていても、さて、自分の櫂一本では沖へ沖へとゆけませんでした。わたしの自力の不足もあるでしょうし、生活というものの現実のてりかえしもあって。ところが、この夏以来、一度一度とわたしは自分の無意識のうちに求めていた櫂の突っぱりの手答えがついて来て、この頃自分の内心深く眺めやると、何とありがたいことでしょう、岸はいつしか遠い彼方となって自分は沖に出ていることを発見いたします。先頃、波に漂う自分ではなくて航行しつつある自分を感じるよろこび、そういう感じに導かれる比類ないうれしさをお話したでしょう? 勿論覚えていらっしゃるわね、それが更に継続し発展した自覚です。親船、子船にたとえて話していたのも覚えていらっしゃるでしょう? 今になって感じをたしかめてみると、もう二つのものとして、曳かれている子船はなくなっているわ、面白いこと。子船はもう、親船と別のもの、附属もの、ではなくなって、きっちり工合よく親船の舷におさまって、親船のスピード、波をける力を自分のものとして納っているのが分ります。