후리가나로 읽는 일본 고전
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
宮本 百合子의 獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 120,583자 · 240화면
直さん[自注22]の細君が久しい病気の後死なれました。柳瀬さん[自注23]という画家が甲府へ疎開準備中新宿との往復の間、駅で戦災死されました。実に気の毒です。鷺の宮は相変らず。近所へ戸塚の母[自注24]と子が越して来ています。どちらも昨今は収入がないから大変でしょう。戸塚の母さんは子供たちと丈生活するようになって大分さっぱりしましたが、この七年ほどの間、生活の裏面を黙って呑みこんで作家的押し出し丈を俗的に押して来ているということのため、人間が平俗にしっかりしてキツくなって何とも云えない美しい天真さを失ってしまったことは見ていて苦しゅうございます。そしてこのことは、芸術家として代うるもののない大切な何かを失ってしまったことです。芸術が天寵であり人間の誇りである以上、芸術家は天のよみする間抜けさ、一途さをもって、正直頓馬に美しく生きなければなりません。それは叡智に充ちるということとは矛盾いたしませんものね。
[自注17]信濃町――一九三三年頃、百合子が弟夫婦と暮していた東京、四谷区信濃町の家。
[自注18]バチラー博士――一九一八年、百合子十九歳のとき、アイヌ人に取材した小説「風に乗って来るコロポックル」