후리가나로 읽는 일본 고전
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たまとりものがたり
玉取物語
久生 十蘭
久生 十蘭의 玉取物語(たまとりものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,495자 · 19화면
施術は十一月四日の正午から下邸の中ノ書院で行なわれることになり、戸塚、大槻、林、竹内の四人が前日から泊りこんで万般の準備にとりかかった。欄間の塵を払い、残る方なく清掃し、書院の真中に畳を五畳積みあげて清浄な白布で蔽い、そこを施術の場所にした。畳を重ねて台をつくるのは、この日がはじめてではない。むかしから順天堂の一派がやっていた方式であったが、切腹の場に似ていると言って、重役からきつい文句が出た。
そちらの一角はようようのことで切崩したが、ここに意外な障りが起った。殿は御二十八歳、倭子という奥方があられるが、まだ嫡子がない。こういう御境界は前々から知れ切っていたから、一人旅の遍路の笠にも同行二人と書きつけるごとく、いやまた唐の車は一輪で用を弁ずるがごとく、右は失っても左さえあれば、一個をもって二個の役を果すべき証跡を二人からさまざまに申上げ、御親類一同も御納得になったことであったが、今日という今日になって、御母堂の筋から、外科の施術をとりやめて散らす方を考えよと、取次をもって仰せだされた。
大槻と戸塚は中ノ書院の入側に坐って顔を見合っていたが、そのうちに大槻「いまになってかような御沙汰を受けるのは困る。