후리가나로 읽는 일본 고전
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たまものまえ
玉藻の前
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 玉藻の前(たまものまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,703자 · 261화면
彼は俄に藻が恋しくなった。世の禍いを鎮めるためとはいいながら、彼は古塚の秘密をみだりに兄弟子に口走ったのを今さら悔むような気にもなった。それは愚かであると知りながらも、彼はやはり藻が恋しかった。その形を仮りていた玉藻が恋しかった。
この埒もない心の悩みを癒すために、彼は三浦の娘をたずねようと思い立った。祈祷から三日目の午すぎに、千枝太郎は七条へ忍んで行って三浦の宿所の門前に立つと、彼は小源二から思いも寄らない報告をうけ取った。
「お身はまだ知らぬか。衣笠どのはおとといの夜にむなしくなられた」
「衣笠どのが亡せられた……」
千枝太郎は声も出ないほどに驚いた。小源二の話によると、祈祷の夜の亥の刻ごろ、泰親がかの黒髪を火に燃やしたと恰もおなじ頃に、彼女はにわかにこの世を去ったというのであった。屋敷じゅうの男どもはみな主人の供をして山科郷へと向かっていた留守であるから、詳しいことは確かにわからないが、そのときかの怪しい上臈が再び庭さきに姿をあらわしたと侍女どもはささやいていた。
「じゃによって、われらが案ずるには、かの玉藻めが殿様のお留守を窺って、衣笠殿に祟ったのではあるまいか。