후리가나로 읽는 일본 고전
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たまものまえ
玉藻の前
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 玉藻の前(たまものまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,703자 · 261화면
千枝松は夢のように駈けてゆくと、誰か知らないがその肩を叩く者があった。はっとおびえて眼をあくと、高い棕梠の葉の下に一人の老僧が立っていた。
「お前はあの象の上に乗っている白い女を識っているのか」
あまりに怖ろしいので、千枝松は識らないと答えた。老僧は静かに言った。
「それを識ったらお前も命はないと思え。ここは天竺という国で、女と一緒に象に乗っている男は斑足太子というのじゃ。女の名は華陽夫人、よく覚えておけ。あの女は世にたぐいなく美しゅう見えるが、あれは人間ではない。十万年に一度あらわるる怖ろしい化生の者じゃ。この天竺の仏法をほろぼして、大千世界を魔界の暗闇に堕そうと企つる悪魔の精じゃ。まずその手始めとして斑足太子をたぶらかし、天地開闢以来ほとんどそのためしを聞かぬ悪虐をほしいままにしている。今お前が見せられたのはその百分の一にも足らぬ。現にきのうは一日のうちに千人の首を斬って、大きい首塚を建てた。しかし彼女が神通自在でも、邪は正にかたぬ。まして天竺は仏の国じゃ。やがて仏法の威徳によって悪魔のほろぶる時節は来る。決して恐るることはない。しかし、いつまでもここに永居してはお前のためにならぬ。