후리가나로 읽는 일본 고전
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たまものまえ
玉藻の前
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 玉藻の前(たまものまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,703자 · 261화면
なにを目あてに生きてゆく。千枝松はこの世界が俄に暗黒になったように感ずると同時に、まだほんとうに癒り切らない病いの熱がまた募ってきた。彼の総身は火に灼かれるように熱くなった。彼は息苦しいほどに喉がかわいてきたので、隣りの陶器師のうちへ転げ込んで一杯の水を飲もうとしたが、翁の留守を知っているので、さすがに遠慮した。彼は杖を力にして近所の川べりへさまよって行った。
ここは藻と一緒にたびたび遊びに来た所である。このあいだも十三夜のすすきを折りに来た所である。二人が睦まじくならんで腰をかけた大きい柳はそのままに横たわって、秋の水は音もなしに白く流れている。千枝松は水のきわに這い寄って、冷たい水を両手にすくってしたたかに飲んだが、総身はいよいよ燃えるようにほてって、眼がくらみそうに頭がしんしんと痛んで来た。彼はもう立って歩くことが出来なくなったので、杖をそこに捨ててしまった。蟹のように這ってあるいて、枯れた蘆やすすきの叢をくぐって、ともかく往来まで顔を出したが、彼はまた考えた。
「もういっそ、死んだがましじゃ」
藻を失った悲しみと病いにさいなまるる苦しみを忘れるために、いっそこの水の底へ沈んでしまおうと、彼は咄嗟のあいだに覚悟をきめた。