후리가나로 읽는 일본 고전
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げんだいしょうせつてんぼう
現代小説展望
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 現代小説展望(げんだいしょうせつてんぼう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 35,254자 · 70화면
彼らの足もとには波が暗く呟いていた。次の瞬間、部落全体が、ワッと、大きな声を上げて、波打際で、泣いた。その時は、ほんとうに、部落全体が、ワッと、大きな声を上げて、泣いた。
(「海岸埋立工事」――藤沢桓夫)
これは鱶釣りの発動機船が沖で遭難して戻って来ないのを、部落の人々が待ちつくしてる場面である。ところで、右の一節には、表現の深みにおいて至らぬ点を持ってはいるが、部落全部が一つの一体として無理なく描かれているところに、プロレタリア文学に対する或る暗示がある。何等かの集団なり階級なりを一体として描き、それに一つの生活的情感を持たせることは、それがたとい階級闘争のためになされたものであろうとも、文学における新たな領土の開拓たることを妨げない。そしてこれは前に述べた「ユナニミスム」の見解とおのずから相通ずるものであって、作品の上にはほぼ似寄った結果を齎す。
人間のそれぞれの集団のうちにその集団独自の生命や生活を見出そうとする「ユナニミスム」の見解や、いわゆる戦争文学の団体行動を基本とする描写法や、プロレタリア文学の階級的固執などは、各個人を解消し包括して一体となっている群衆の魂を描出するという、新たな領土を文学に提供する。