일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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りそうのおんな

理想の女

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 理想の女(りそうのおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 38,162자 · 77화면

아오조라 문고

そして結局、彼女の心に芽したものが何であろうと、私の方が一歩優勢になったことだけは確かだった。私はこの意外な結果に満足した。そして更に決定的な勝利を得んがために、殊更沈思を装い、出先を曖昧にしながら、一層頻繁に市内を彷徨し初めた。そういう方法によって、彼女の気勢を挫き、家庭内に自分の権力をうち立て得たら、凡てがよくなるだろう、彼女と私との間もよくなるだろう、と私は考えていた。私は球突場へ通った。碁や将棋を初めた。活動も見て歩いた。時には夜遅くまで酒を飲んだ。妓を呼ぶこともあった。飽きると友人の家に寝転んで、無駄話に耽った。ちいさなハナをひいたり、トランプの空遊びをした。そして、遊惰というものは妙なものである。初めはいつも陰鬱に曇っていた私の心が、非常に華かになったり、非常に陰惨になったりした。浮々した気持が何処までも私を運んでゆくかと思うと、急に真暗な穴の底へ陥ったような心地になった。そういうどん底の気分の時には、私はよく長谷川を訪問した。長谷川は近頃文壇に名を出した新進作家で、妹の道子も将来女流作家となる筈――本人の心では――であった。家の中の空気が何処となく爽かでまた落付いていた。