후리가나로 읽는 일본 고전
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ことのそらね
琴のそら音
夏目 漱石의 琴のそら音(ことのそらね)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,985자 · 42화면
「珍らしいね、久しく来なかったじゃないか」と津田君が出過ぎた洋灯の穂を細めながら尋ねた。
津田君がこう云った時、余ははち切れて膝頭の出そうなズボンの上で、相馬焼の茶碗の糸底を三本指でぐるぐる廻しながら考えた。なるほど珍らしいに相違ない、この正月に顔を合せたぎり、花盛りの今日まで津田君の下宿を訪問した事はない。
「来よう来ようと思いながら、つい忙がしいものだから――」
「そりゃあ、忙がしいだろう、何と云っても学校にいたうちとは違うからね、この頃でもやはり午後六時までかい」
「まあ大概そのくらいさ、家へ帰って飯を食うとそれなり寝てしまう。勉強どころか湯にも碌々這入らないくらいだ」と余は茶碗を畳の上へ置いて、卒業が恨めしいと云う顔をして見せる。
津田君はこの一言に少々同情の念を起したと見えて「なるほど少し瘠せたようだぜ、よほど苦しいのだろう」と云う。気のせいか当人は学士になってから少々肥ったように見えるのが癪に障る。机の上に何だか面白そうな本を広げて右の頁の上に鉛筆で註が入れてある。こんな閑があるかと思うと羨ましくもあり、忌々しくもあり、同時に吾身が恨めしくなる。