일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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びわでん

琵琶伝

泉 鏡花

泉 鏡花의 琵琶伝(びわでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,081자 · 24화면

아오조라 문고

、後毛だにも動かさざりし。

銃殺全く執行されて、硝烟の香の失せたるまで、尉官は始終お通の挙動に細かく注目したりけるが、心地好げに髯を捻りて、

「勝手に節操を破ってみろ。」

と片頬に微笑を含みてき。お通はその時蒼くなりて、

「もう、破ろうにも破られません。しかし死、死ぬことは何時でも。」

尉官はこれを聞きもあえず、

「馬鹿。」

と激しくいいすくめつ。お通の首の低るるを見て、

「従卒、家まで送ってやれ。」

命ぜられたる従卒は、お通がみずから促したるまで、恐れて起つことをだに得せざりしなり。

かくてその日の悲劇は終りつ。

お通は家に帰りてより言行ほとんど平時のごとく、あるいは泣き、あるいは怨じて、尉官近藤の夫人たる、風采と態度とを失うことをなさざりき。

しかりし後、いまだかつて許されざりし里帰を許されて、お通は実家に帰りしが、母の膝下に来るとともに、張詰めし気の弛みけむ、渠はあどけなきものとなりて、泣くも笑うも嬰児のごとく、ものぐるおしき体なるより、一日のばしにいいのばしつ。母は女を重隆の許に返さずして、一月余を過してき。

されば世に亡き謙三郎の、今も書斎に在すがごとく、且つ掃き、且つ拭い、机を並べ、花を活け、茶を煎じ、菓子を挟むも、みなこれお通が堪えやらず忍びがたなき追慕の念の、その一端をもらせるなる。