후리가나로 읽는 일본 고전
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
岡本 かの子의 生々流転(しょうじょうるてん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 297,521자 · 586화면
月末になると、「へえ、これが一月の稼ぎ分の入ってる月給袋というものかね。何だか途中で落したら一ぺんに損をしてしまいそうで、怖いような袋だね」と言いながら、当分それを神棚や、父の位牌の前に供えたりした。
園芸手勤続のこの六七年間というものは、残るほどではないが、母と祖母はたいした苦もなく暮した。ほとんど園長の物置小屋に住み続けて、めったに家へは帰らない息子の留守の暇に明かして、二人はもう嫁取りの相談ばかりであった。好き嫁をとて、心当りの娘に目星をつけてみたり、知る辺の人々には頼みかけたりした。若し、事実にその嫁が見付かって、あの貧弱なわが家へ乗り込み、女家族の中心の位置に就いたら、さぞかし双方とも興醒めのすることだろうとは察しながらも、自分は、二人の今までの楽しい唯一の夢を破るまいと、たゞ笑って、老女たちの耽るまゝにその夢を残して置いた。「古浴衣はほどいてお襁褓に」祖母は耽り逸って、とう/\孫の夢までも空に描き出していた。
それが退職になる。そうして老女たちに神秘感を与えていたあの月給袋はもう永遠に手に入らない。この結果は、どういうことになるであろうか。