후리가나로 읽는 일본 고전
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せいぜんしんごのこと
生前身後の事
中里 介山
中里 介山의 生前身後の事(せいぜんしんごのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 41,804자 · 83화면
ことはない、根津にいる時分よく小石川の植物園へ遊びに行ったものだが、その途中本郷のとある家の路地で、沢田正二郎渡瀬淳子と連名の名札のあるのを見た位のものだ、それが近頃では大阪へ行って新国劇という一団を作りなかなか人気を博しているということであった、そうして是非とも大菩薩峠の机竜之助をやらして貰いたいと寺沢君を通じての申込だ、寺沢も予てこっちの態度を知っているから「申込んでもそりゃ駄目だ」と断ったが、断られても駄目でも何でもいいから話だけはしてくれろ、斯ういうことで寺沢君から伝達されて来た、その時に余輩はどうしたものか、今までと違ってちょっとそれに耳を傾けたのである。
一体、沢田君はどういう芸風の人か、今まで何をやったのが出色か、というと松井須磨子のサロメにヨカナンを演ったことがあるというような話だ、それは面白そうだ、ヨカナンをやりこなし得るものが机竜之助を演ったらおもしろいに相違ない、兎に角一度会って見よう、ということになって、寺沢の紹介でたしか日比谷の松本楼で初会見をし、食事を共にした後に帝劇を三人で見物した、それが最初の縁であった。