후리가나로 읽는 일본 고전
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でんえんのまぼろし
田園の幻
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 田園の幻(でんえんのまぼろし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,053자 · 17화면
もし不在中に花子が荷物を取りに来たら、困ることになるかも知れないと、私はちらと考えた。お祭りの晩あたりに……と彼女は言った。然し漠然としたことなので、馬鹿正直に待ってるにも及ぶまい。
ドーン、ドーン、ドンドコドン、ドーン、ドーン……
かすかに、八幡様の方では太鼓が鳴っていた。道路はほんのり白いが、四辺はもう暮れてしまっていた。
宗吉の家は小高い台地の上にある。だらだら坂を降りると、稲田の匂いが夜気にこもっている。路傍の雑草にはまだ露はおりていない。その田圃道を無言で五六町行くと、大きな堤防に出る。堤防の向うが広い河原で、清い水が瀬を作り淀みを作ってうねうねと流れている。
水の浅い岸辺や、流れのゆるやかな瀬に、夕方から、川魚は餌をあさりに出ている。それに投網をかぶせるのである。
宗吉が相図をすると、私と宗太郎はそこの河原に立ち止る。宗吉は一人すたすた歩いてゆき、時には河原から、時には浅瀬にふみこんで、下手から上手の方へ水脈を物色しながら網を投ずる。その水音と共に、私たちは駆けつける。宗太郎が龕燈の光りをぱっと差しつけると、魚は突然光りに酔う。網は手繰られてしぼられ、河原に引き上げられる。