후리가나로 읽는 일본 고전
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しろいかべ
白い壁
本庄 陸男
本庄 陸男의 白い壁(しろいかべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 25,697자 · 51화면
「小学校も出てねえじゃ、今時、小僧にも出られねえからよ」と父親が口を挾むのであった。富次はほっとして母親を視た。彼女はそっぽを向いてへんという風に鼻をしかめた。
「なあ、俺が丈夫になれば何とかしるからよ、子供に罪はねえんだし、学校にだけは出してやれよ」
「芝居みてえな口は聞き飽きたよ、え? お前さんも早く何とか片づくことだ」
母親はそう言って亭主を一瞥し、富次に向っては一喝した。
「さっさと行っちまえ、このいやな餓鬼やあ――」
柏原富次は右手に鞄を抱え、左手は傘の柄にからまして、しぶいている雨の中にとびだした。大通りは河になって流れていた。雨がっぱにくるまった髯の交通巡査が、学校がよいの子供を自動車や電車から守り、子供たちの敬礼ににこにこしてみせた。
城砦型に建てられた鉄筋コンクリートの小学校は、雨の日はみごとに出水する下町の中で、いやに目立って聳えていた。この一帯は一昔前、震災でぺろり焼け頽れた。生き残った住民たちはあたふた舞い戻ったのであるが、彼らは前よりもいっそう危かしい家に住まねばならなかった。ただ小学校だけは――さすがに政府の仕事だけあって、じつに堂々とできあがった。