후리가나로 읽는 일본 고전
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しらぎく
白菊
夢野 久作
夢野 久作의 白菊(しらぎく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,486자 · 25화면
その突角を両手と両膝の間に挟んでジリジリと上の方へ登り初めた。気が遠くなる程の空腹を感じながら……。
一丈ばかりの高い混凝土塀を越えると、内部は広い花壇になっているらしい。何だかわからない秋の草花が闇の中に行儀よく列を作って、一パイに露を含んでいる中を、マキリを啣えた囚人姿の虎蔵が、ヒソヒソと匐い進んで行くのであったが、そのうちに闇夜の草花の水っぽい、清新な芳香が、生娘の体臭のように、彼の空腹に泓み透って来た。白々とした女の首や、手足や、唇や、腹部の幻像を、真暗な彼の眼の前に、千切れ千切れに渦巻かせながら、全身が粟立って、クラクラと発狂しそうになるまで、彼の盲情をソソリ立てるのであった。彼は暫くの間、唇を噛んで、ベコニヤの鉢の間にヒレ伏していた。
……助けてくれ……。
と叫び出したいような気持ちを、ジッと我慢しながら……そうしてヤットの思いで気分を取り直すと、虎蔵はイヨイヨ静かにベコニヤの鉢の間を抜けて、綺麗に刈り込んだ芝生の上に匐い上った。
眼ざす二階家は直ぐ眼の前に在った。
彼は極度に冷静になった。同時にたまらない程、残忍になった。容易ならぬ荒療治に引っかかりそうな予感と、世にも不思議な赤い光りに対する緊張が、彼の全身を空気のように軽くした。